第4回:症状がなければ病気を放っておいていいの!?

S 前回、痛みや症状は「脳の脅威のバケツ」の中味が増えたときに出るって、話してくれたじゃないですか? すごく腑に落ちて、とにかく自分が「心地よい」と感じることを増やすようにしています。そのおかげか、あれ以来、胃痛がないんですよ。

川尻  それは何よりや。よかったやん。

 でも、疑問も出てきたんです。先生は、「脳の脅威のバケツ」の中味が減れば、たとえ胃に穴が開いていても症状は出ない、つまり痛くないとおっしゃいました。逆に言うと、胃が痛くなくても穴は開いたままの可能性もありますよね?

川尻 まー、せやね。

 痛くないからって、開いた穴をこのまま放置しておいていいんでしょうか?

川尻 あー。この話は、前回の「脳の脅威のバケツ」にもかかわるから、まずそっちをもう一度読んでから、進もうか。

症状がなければ大丈夫

川尻 さっそくやけど、前回の話は読んだって前提で進めるで。いきなり結論から言うと、症状がなければ、胃に穴が開いていても放っておいてええよ。

 え!? 今も私の胃に穴が開いているかもしれないけど、それでいいと!?

川尻 ええねん。痛みとか症状がなければ、何でもええねん。

 えー! でもその間に穴がもっと広がって、次はすごい痛みになったり、知らないうちに手術が必要なほど酷くなったりしないんですか?

川尻 症状がない、痛みがないっていうのは、脳がセーフと判断してるってことや。

脳って基本的には生存するために、常に危険なものがないかを探してるねんな。放っておくといちいち危険を探しまくってるんや。そのくらいネガティブな脳が何のサインも出さないということは、今の状態で対処可能ってことやねん。たとえ穴が開いとってもオールOKや。

 症状がない、痛みがない、つまりは「何かを変えてくれ」っていうサインがないなら、そのままでOKと…うーん、理屈はわかるのですが、病気によっては初期は症状がなくて、気付いた時には手遅れっていうケースもあるじゃないですか? たとえばガンとか。

川尻 痛みに関しては言えば、第1回で話したように、センサーが多い箇所に出やすいねんな。だから、脾臓とか、膵臓とか、センサーが少ないところは、痛みが表れにくいことはあるね。

ただ、その場合でも、「お酒がおいしくなくなった」とか「疲労感がずっと抜けない」とか、やっぱり何かのサインは出ているねん。だから、その小さなサインの段階で気付けるか、体の声をどこまで丁寧に聞けるかも大事やね。

痛みがだけがサインではなくて、痛みは数ある中のサインの一つでしかないってこと。

 なるほど。理想論を言えば、痛みだけでなく、自分の体の声にもっと敏感になって、その都度、対処ができていれば、定期検診で予期せぬ何かが見つかってショック、ということは起こらないはずなんですね。あくまで理想論を言えばですけど…皆、それができないから、早期発見、早期治療って、検査に頼っているのが現状ということかな。

早期発見・早期治療の是非

川尻 うまく伝えられるかわからんけど、早期発見、早期治療うんぬんについては、死生観とか人生観の話にもなるねん。そもそも人は誰でもいつか必ず死ぬわけやしね。だから、良い・悪い、正解・不正解ではなくて、好き・嫌いの話として捉えた方がええと思う。

病気の治療をするにあたって、一般的には最新の医学が判断基準にされるわけやけど、実際は「今まで使っていた薬ですが、体によくない作用もあることがわかったから止めましょう」という類いのことはよく起こるやん? 最新の科学でその時ベストなものを提供していたけれど、科学が発展すると共にベストなものは変わるねん。

それも何千年も前の話じゃなくて、ここ数十年の中でどんどん変わってる。今、医学や科学として「正解」と思われていることだって、あと数十年したら「えー、そんなことやっていたなんて信じられない!」となること、いっぱいあるはずやねん。

S 何が良いかなんてすぐ変わる、つまり正解はない、ということですね?

川尻 せや。だから、どっちが正しくて、どっちかは間違っている、という話ではなくて、自分はどっちが好きかで考えた方がええとワシは思うねん。

ガンを早く見つけて、手術して、抗がん剤を打って、放射線治療をしたとするやん? でも大好きなゴルフはできなくなった。それで10年寿命が伸びることと、好きなこといっぱいやって寿命は残り5年になるの、自分はどっちがいいか?

で、ワシは、人生はクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が高いことが大事と思っている。だから、誤解を招く言い方になってしまうけど、あえてわざわざ見つけなくてもいい病気も中にはあると思ってるねん。何の症状もないのに何かを見つけてしまったことで、不安が急激に増加して、「脳の脅威のバケツ」の容量が上がって、おかげで症状が悪化するということもあるからや。

でも、一方で、早期発見によって、手術とか早期治療を受けて、救われている人もいっぱいいる。それも事実や。

こういうのって、どっちかの選択は正解で、もう一つは不正解、という話にしたらややこしいし、答えはないと思うねん。「どっちかが正解で、どっちかは間違い」っていう見方そのものを止めないとそもそも「正解探し」をする人生はキツイねん。正解を探すってことは、「間違えないようにしなければ」となるから、それがストレスになって、脳の「脅威のバケツ」を増やすことにもなるしな。

 検査や治療へのスタンスも、善悪や正解不正解ではなく、好き・嫌いで選んでいいのでは、ということですね? 反感もありそうな意見ですけど、それこそ好き・嫌いで言ったら、その意見は私は好きです。

脳は奇跡製造器!

 ところで、好き・嫌いで選んでいいというのは、 前回の「脳の脅威のバケツ」の容量を下げるための話にも通じますね? 心地よいと思うこと、気分がいいことは脳が「そっちがいい」と言っていること。つまり「脳の脅威のバケツ」を下げること、っていう。

川尻 せやね。しかも、その好き・嫌いは、その日、その瞬間の好き・嫌いでええ。「昨日はあっちが好きやったけど、今日はこっちが好きやな」くらい緩くてええし、そうやって変わるのが普通やねん。

「昨日はこっちがいいって思ったんだから、こっちを続けなきゃ」となると、それはもう脳からのサインを聞いていない。「脳の脅威のバケツ」を上げることになりますものね?

川尻 せやねん。そうやって地道に「脳の脅威のバケツ」の中味を減らしていけば、その分、脳が対応しなきゃいけない仕事が減って、脳の自由が増えるねん。そしたら、脳が持っている本来の力を発揮できるようになるねん。

 脳が本来持っている力?

川尻 脳って、基本的に、「奇跡製造器」やねん。放っておいたら、奇跡のような回復を起こす力があるねん。せやけど、我々がうまく使えてないねんな。脳の自然なインプットとアウトプットのプロセスに対して、我々人間は思考でいろいろ考えて、変な対応をしてしまっていることが多いねん。

第2回でも言ったけど、脳に1秒に入る情報は4千億でビットで、我々が意識できるのはそのうちの2000ビットだけやねん。意識、つまり頭で考える思考よりもっと多くの情報がその奥にあるねん。だから意識のもっと奥にある、「なんとなく」という心の声とか、体で感じる感覚を信じて、それを実践することが大事やねん。難しいけどな。

そもそも、脳と体ってほんまにスゴイんやで。常に勝手に最善の適応をしてくれてるねん。体の環境をある一定に保つことをホメオスタシスって言うんやけど、免疫とかホルモン、自律神経も、脳がホメオスタシスを保つために使うツールや。

免疫やホルモン、自律神経がバランスを崩すってよく言うけど、それぞれが単体で勝手にバランスを崩すことはないねん。脳がさまざまなインプットに対してプロレスした結果、その3つを使って体を調整しているってことでしかないねん。その結果として表れる好ましいアウトプットは「適応」と呼ばれるけれど、好ましくないアウトプットは問題、つまり「病気」とか「症状」と呼ばれるだけ。どっちも脳が適応した結果やねん。

 あー!「病気」や「症状」とは何か、その捉え方の根底を変えることが、“ホリスティック”に健康を考える大事なカギですね。4回目にしてようやく一つ大きなことが見えてきました!

 

このブログでは、皆様からの質問や疑問を募集しています。今回のトピックに関する質問でも、川尻先生に聞いてみたいことでも何でもかまいません。ぜひコメント欄にご記入ください。個別回答はできかねますが、今後、ブログのトピックとして川尻先生にぶつけ、回答していただくつもりです!

第4回:症状がなければ病気を放っておいていいの!?” への3件のフィードバック

  1. いつも楽しく読ませてもらっています。
    一つ質問なのですが、指に棘が刺さったり、腕をつねられたりしたら誰でも痛いって感じると思います。
    その脅威は生命に対しては何ら影響はないと思うのですが、でも痛みとして感じる、というのはどういうことなのでしょうか?

    いいね

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