第9回:疲労感が続くときに、見直すこと

S 先生〜、最近ちょっと疲れているんですよ、わたし。前に(第3回)、疲労も、腰痛や腹痛やさまざまな症状とメカニズムは同じって言っていましたよね?

川尻 せやね。疲労とか、痛みもそうやし、落ち込むとか、その先にいくとウツとか不安とか、そのあたりも基本的にはインプット・アウトプット・プロセスのアウトプット。つまりは結果として出てくるものやね。

S ですよね。だから、インプットを変えればいいと思って、思い切って仕事を休んだりしてみたんですけど、なかなかすっきりはしなくて…。暑さとかもあるのかなぁ?

川尻 せやな〜。ただ、あれやな、疲れたらダラダラしたり休んだりすることも大事やねんけど、ワシが思うに、もっと大事なところをできていない場合が多いねん。

S え? 休む以上に大事なことがあるんですか?

 

疲労感から抜け出す基本の基

 

川尻 そもそも、自分の体に出てきているアウトプットを、まず認めるってことがけっこう大事やねんな。「あ、なんかわたし、疲れているな」とか、「今ちょっと落ち込んでいるな」「今しんどいな」っていうことをまず認めることが大切やねんけど、多くの人がこれをしないのよね。

S わたしは疲れているっていう自覚はあるから、認めていると思うけど…。

川尻 せやったらええんやけど、けっこう多くの人が「周りはもっとがんばっているのに、こんなんで疲れてるなんて感じちゃダメ」って自分の中でやってるねん。

S あ〜、それはちょっと心当たりあります。みんなは平気そうなのに、自分だけ疲れて休んでいることに罪悪感というか、後ろめたい気持ちがあるかも。疲れを自覚しているからといって、疲れを認めているとは限らないってことですね?

川尻 せやねん。何度も言うけど疲れもアウトプットや。出てきたアウトプットに対して我々ができることって、状況を認識、把握するってことだけやねん。現状把握って本来は客観的なものなのに、多くの人が主観を入れるねんな。

S なるほど。でも、病は気から、って言われるように、「疲れている」という現状を自分で認めたらもっと疲れちゃうってことはないですか? 「痛い」と思ったらもっと痛くなる、みたいな?

川尻 疲れていると思うともっと疲れるとしたら、それは、疲れることがダメなことって思ってるからや。

S あ〜、そうだ、確かにそうかも。そこにも主観が入ってるのか…。

川尻 せやねん。疲れているっていう現状は良いことでも悪いことでもないねん。ただのアウトプットや。なのに「こんなことで疲れているとか言っちゃダメ」って自分を責めるとドツボにハマってますます疲れるねん。

まず自分が感じていることを素直に受け入れて理解することや。疲れているんだったら、それを感じて、「あー、わたし、疲れているな」ってことを認めることがスタートやねん。

元気になりたいみたいに目標を設定することは大事やねんけど、その目標を達成するためにはスタート地点を知ることも同様に大事やねん。で、スタート地点っていうのが現状把握やねんけど、主観が入ると現状把握が間違ってズレてまうから、目標に向かうまでのプランもズレて、おかしなことになるねんな。

 

ポジティブなインプットを増やす

 

S まず冷静に客観的に現状を受け入れるのがスタート地点。そしたら、インプットを変えていけばいいのですね? インプットを変えることについては、第3回でも話していただきました。何でもいいから今までと違うことをしてみる。やってみて気分がいいことを増やす。

川尻 せやね。ただ、一番やってほしいのは、何でもいいから、どんな些細なことでもいいから、今の現状の中から、「もしかしたらポジティブに見られるかもしれない」という部分を見つけることかな。

大げさなことじゃなくてええねん。「すごく疲れていてダルくて仕事忙しいけど、今日の天気については気持ちええって思えなくもないな」っていうくらいでええ。今は正直、心からすばらしいとは思えないけど、すばらしいと思えるようになる可能性はなくはない、くらいで十分や。

S それくらいならできそう(笑)。にわかには信じがたいですけど、そうすることで、脳の神経ネットワークのつながり方が変わっていって、アウトプットも変わっていくと第8回でおっしゃっていましたね。

川尻 せや。これはインプット・アプトプット・プロセスの話やから、症状に限らず、感情でも同じやねん。たとえば、誰かに腹立ったとするやろ? 腹立つという感情はアウトプットだから良いも悪いもないし、ましてや出てきたアウトプットに対して「腹立てちゃダメ。落ち着け、わたし」と収めようとしても無理やねん。でも、「いま、すごく腹立ってる。けど、今飲んでいるこのコーヒーはめっちゃうまいわ〜」、それでええねん。すごくシンプルなことやねん。

そういうのを日常で丁寧にやり続けていくと、いろいろなものごとが変わってくるよ。自ずとアウトプットも変わってくる。それこそ前ほど簡単には腹立たなくなったり、感謝の気持ちなんかも自然に湧き出てくるねん。

S シンプルだけど、なかなか難しくもありますね。

川尻 でも、できないからと自分を責めるとまた負のサイクルに入ってしまうので、できないことをネガティブに捉えんでもええねん。

そもそも人間の脳って命を存続させるために、常に現状の中で危険なこと、ネガティブなことを探すようにできてるねん。だから、ネガティブなことばかり目についてしまうのはあなたのせいではないし、ましてや「ポジティブに受け取れないわたしってダメ」って思う必要もないねん。ネガティブだよね、人間だもの。それだけや。

S ネガティブを見ちゃっても、いちいちそれを責めず、それはそれで置いておいて、ポジティブに受け入れられる別の何かを探せばいいのですね。

川尻 せやね。よく「ポジティブシンキングが大事」って言われて、頭に湧き出てきたネガティブな感情や思考をポジティブに変えようとしがちだけど、出てきたもんはアウトプットやから、変えようとするのはそもそも無理な話やねん。でも、現状から何をインプットするかはポジティブに変えられる第8回でも言ったけど、そこは自分の選択で選べる部分やし、意識することで鍛えられる部分やねん。

 

本当につらいときは、できることから

 

川尻 まあ、今は、こんな話してるけど、ワシ、この間、飛行機で酔ってしまって、めちゃくちゃ苦しくて、トイレ行きまくって、「こんな状況の中でポジティブに見られることを探せって、あんた何言っちゃってるの!? ムリムリ!」って思ったで。

S はは。ですよね。わたしも胃痛がひどかったときはそうでしたもん。何か他にいいことを探そうにも、そもそも痛過ぎてそれ以外のことに意識がいかないし、不安だし…。そういうときはどうしたらいいでしょう?

川尻 第7回で、体のこと、心のこと、社会的なこと、どれも等しく重要だって話したけど、体の症状がつらいときは、まず体のことから入ってええと思うねん。マッサージが気持ちいいならマッサージに行く、信頼できる医師の治療を受けることでほっとできるなら治療を受ける、薬を飲んで少しはラクになるんだったら薬を飲む。

S 薬については、症状を抑えるだけで治すためのものじゃないとおっしゃっていましたが(第3回)、それを知ったうえで必要に応じて使うのはいいのですね?

川尻 薬は一時期の症状を緩和させるにはすばらしいものだから、使うことでラクになるなら使ったらええねん。ただ、それをずっと使い続けないといけないとなったら考え直したほうがええってだけや。

そんな感じで、何でもいいから、いまちょっと自分がラクになるものを探してやったらええ。いろんな人がいろいろ言うことなんて気にしなくていいし、自分がほっとできることが何より大事やねん。

ただ、何が自分の気分を良くしてくれるかは、その時々で変わるし、人によっても違うから、「薬は絶対ダメ」というように一概にラインを引いちゃうとしんどくなってしまう。常に「今、自分がどう感じているか」に従うことが大事やね。

 

このブログでは、皆様からの質問や疑問を募集しています。今回のトピックに関する質問でも、川尻先生に聞いてみたいことでも何でもかまいません。ぜひコメント欄にご記入ください。個別回答はできかねますが、今後、ブログのトピックとして川尻先生にぶつけ、回答していただくつもりです!

第9回:疲労感が続くときに、見直すこと” への2件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中